一人旅をこよなく愛する、アラカンサラリーマンのOusuiです。
私は、2017年11月に、JRの鉄道路線を全線完乗しました。
50代を目の前にして、学生時代以来となる「乗り鉄」の世界に復帰し、どのようにしてJR全線完乗に至ったかを綴っていきます。
2015年8月28日 北陸新幹線(+富山地方鉄道・富山ライトレール)
2013年と2014年はプライベートの旅行は全くなく、今回の旅行はこの時以来となるのでちょうど3年ぶりということになります。
その分、軍資金はたっぷりとあり・・・だからと言う訳ではないのですが、東京を出発した前日はこのようなところに泊っていました。
長野県の白骨温泉・泡の湯です。
温泉好きの知人から紹介されて予約した宿ですが、白濁した露天風呂(しかも混浴!)が有名なところです。案内された部屋は、一人で泊まるにはもったいない広さの十畳和室。
夕食は、新館1階の食事処ですが、次々と運ばれてくるお料理は、さすが老舗旅館とあって、どこでも目にするようなありきたりの物は一切なく、どれも美味。特に黒毛和牛石焼は絶品でした。
一夜明けて、食事の前の朝風呂です。前日の昼間には透明だった湯も、乳白色になり、天気も良いので心地よく、一時間ほどの長湯となります。
さて、9時過ぎにチェックアウトして、そのまま上高地行きの直行バスに乗車します。
大正池で下車し、その後河童橋まで約1時間の散策です。標高は1500mなので涼しいかと思いきや、意外に日差しがきつく汗ばんでいました。
上高地を12時ちょうどのバスで、平湯温泉へ。そこから13時ちょうどのバスで富山へ向かいます。約2時間半の行程ですが、特急バスと銘打っているものの、設備は一般の路線バス並みでした(あくまでもその当時の話です)
神岡営業所で韓国人観光客らしき数名がガイドと一緒に乗り込んできました。
神岡は、かつて神岡鉄道の終点である奥飛騨温泉口駅があったところですが、2006年に廃線となっています。もともとは国鉄神岡線の神岡駅で、このブログ記事のタイトルになっている、宮脇俊三氏の著書「時刻表2万キロ」で最初に訪れたのがこの神岡線でした。
10分遅れて猪谷に着き、ここで高山本線と分かれ、いよいよ神岡線に入る。神岡線は、神通川の支流高原川の谷に沿って上る20.3キロの線で、終点の神岡は良質の鉛・亜鉛の産出とイタイイタイ病で知られる鉱山と精錬所の町である。
宮脇俊三「時刻表2万キロ」
15時半過ぎに、北陸新幹線開業ですっかりモダンな駅舎に変わった富山駅に到着します。
スタイリッシュな新型トラムに魅せられて、富山地方鉄道の路面電車に乗車し循環線を一周。その後、南富山行きに乗るものの、どうやら要領の悪い乗り方をしていたようで、途中からタクシーで富山大学前駅までショートカットする羽目になりました。
富山駅まで戻り、地下道を通って富山ライトレールの富山北駅に向かいます。かつては国鉄/JRの富山港線でしたが、2006年に日本初の本格的なLRT路線として再スタートしました。(現在では、富山地方鉄道に合併され、富山駅南側の路線と直通運転されています)
ここから約30分で終点の岩瀬浜駅に辿り着きます。
富山駅に戻り、19時11分発の「つるぎ727号」に乗車します。2015年に長野~金沢まで開業した北陸新幹線の初めての乗車区間ですが、距離にして58.6キロの区間を20分あまりであっけなく終点の金沢駅へ。
本日の宿「ホテルトラスティ金沢香林坊」にチェックインし、夕食は、食べログで評判の良かったB級グルメの店「宇宙軒食堂」で、とんテキ定食(670円)を注文します。ほぼカウンターのみの定食屋さんですが、女性が一人で食べていたり、地元では定番な店のようでした。
2015年8月29日 七尾線(+北陸鉄道・のと鉄道)
ホテルをチェックアウトして、タクシーで北陸鉄道・石川線の野町駅へ向かいます。
単純に往復するだけですが、土日限定の1日フリーエコきっぷ(500円)が発売されていて、片道料金とほぼ同額で往復できます。
8時24分発の電車に乗車し、ちょうど30分で終点の鶴来に到着。
かつては、手取川に沿って白山下駅まで線路は延びていました。その路線名も「金名線」といって、金沢と名古屋を結ぶという壮大な計画があったそうです。しかし、その金名線も1987年に廃止。また、石川線の鶴来~加賀一の宮間も2009年に廃止となっています。
野町まで戻るつもりでしたが、JRの西金沢駅に隣接する新西金沢駅で下車し、JRに乗り換えて一駅先の金沢駅へ。
金沢からは、9時52分発の七尾行きに乗車します。津幡までは、北陸新幹線の開業により第三セクターとして発足したIRいしかわ鉄道の路線ですが、そのままJR西日本の七尾線に乗り入れて、11時18分に七尾駅に到着。
ここで、11時40分発のと鉄道の穴水行きに乗り換えます。
ここからが非常にややこしいのですが、七尾からひと駅先の和倉温泉まではJR西日本の七尾線で、その先の穴水までもJR西日本が第3種鉄道事業者として線路を保有しており、のと鉄道は自社の線路を持たないで列車を運行する鉄道会社となっています。
ほぼ片道料金で、1日乗り放題のフリー切符を列車内で購入し、12時18分に穴水駅に到着。
のと鉄道七尾線は、穴水から輪島まで路線でしたが、その区間は2001年に廃止。また、能登半島の東海岸に沿って蛸島まで、のと鉄道能登線が営業していましたが、こちらも2005年に廃止となっています。
能登線は、ほぼ海岸線に沿って走る路線で、そぞかし景色の良いところを走っていたものと想像しますが、残念ながら一度も乗ることができませんでした。
さて、これから先は、12時30分に発車する北鉄奥能登バスで、旧七尾線のあった輪島まで進みます。40分ほどで輪島駅前に到着し、ここからタクシーで3500円かけて、白米千枚田へ。
好天にも恵まれ、思わず息をのむほどの絶景が広がっていました。周回路を一周してみましたが、七尾温泉の有名な旅館・加賀屋や小泉純一郎・進次郎親子の田んぼもありました。
帰りは、14時15分発の路線バスに乗車し、20分ほどで輪島に戻ります。次のバスまで1時間弱あるので駅前を散策すると、昔ながらの日本家屋が並んでいました。
この後、バスとのと鉄道を乗り継いで、17時ちょうどに和倉温泉駅で下車。予約していた旅館の送迎バスで和倉温泉へ向かいます。
宿泊した部屋は、8畳和室と窓際に小さなテーブルと椅子2脚のオーソドックスなつくり。窓からは、加賀屋の二つの建物が見えます。
食事を19時からにしてもらい、その前にひと風呂と大浴場へ。泉質は、塩化物泉で舐めるとしょっぱく、90度の高温のため加水しています。途中から、中学生が多数入ってきて落ち着かなくなってきたので、早々に湯舟から退散。
夕食後、部屋に戻ってしばらく休んでいましたが、半纏を用意してもらって、しばし温泉街を散策。
宿の風呂がイマイチだっので、来る途中で見かけて気になっていた共同浴場「総湯」に入ります。
ここは、湯船も広く清潔で、露天は文字通りに開放的。涼める場所が有るのも嬉しい。サウナも併設されていました。それぞれの湯船にひと通り入って営業時間終了近くまで滞在していました。
2015年8月30日 北陸新幹線線(+北陸鉄道)
能登半島に来るのは初めてなので、もう少し観光を続ける予定でしたが、朝からかなりの雨模様。観光は諦めて金沢に戻ることにしました。
7時前にチェックアウトして、宿の車で和倉温泉まで送ってもらいます。7時20分発のと鉄道の2両編成の列車で七尾まで。さらに、7時30分発の金沢行き4両編成の列車に乗り換えます。冷房がきつく、持ってきたカーデガンが初めて役に立ちます。
最初はほとんど空席でしたが、途中から乗客が増えてほぼ満席になり、8時52分に金沢駅に到着。
昨日と同様に、土日限定のフリー切符を購入して、北陸鉄道・浅野川線に乗車します。地下にある北鉄金沢駅を9時ちょうどに出発します。
乗客はほとんどおらず、17分で内灘に到着。
13分の待ちで、金沢まで折り返しとなります。
金沢に戻っても、相変わらず雨は止みません。屋外を散策する気にもならず、近江町市場で遅めの朝食・海鮮丼をとった後は、県立美術館で過ごしたりしていましたが、金沢駅に戻って予約していた新幹線の予定を変更することにしました。
北陸新幹線開業後、全線を通して初めて乗車する機会なので、グランクラスを奮発してみました。
14時51分のかがやき528号は、発車して間も無く、アテンダントが飲み物と軽食の用意を始めます。最初に赤ワイン、続いてビールを注文し・・・
途中の停車駅は、富山・長野・大宮・上野のみで、2時間37分で終点・東京駅へ。
初めて北陸地方へ旅行したのは学生時代です。その時は夜行列車で行きましたが、随分と近くなったものです。
今回の総括
最後に、今回乗車した路線・区間・距離をまとめておきます。
JR線
会社 | 路線名 | 乗車区間 | 乗車キロ |
JR西日本 | 北陸新幹線 | 金沢 – 上越妙高 | 168.6 |
JR東日本 | 北陸新幹線 | 上越妙高 – 長野 | 59.5 |
JR西日本 | 七尾線 | 津幡 – 和倉温泉 | 59.5 |
合計 | 287.6 |
私鉄・第3セクター線
会社 | 路線名 | 乗車区間 | 乗車キロ |
富山地方鉄道 | 軌道線本線 | 電鉄富山駅・エスタ前 – 南富山駅前 | 3.6 |
富山地方鉄道 | 軌道線支線 | 電鉄富山駅・エスタ前 – 丸の内 | 1.0 |
富山地方鉄道 | 軌道線安野屋線 | 丸の内 – 安野屋 | 0.6 |
富山地方鉄道 | 軌道線呉羽線 | 安野屋 – 富山大学前 | 1.2 |
富山地方鉄道 | 軌道線富山都心線 | 丸の内 – 西町 | 0.9 |
富山地方鉄道 | 軌道線富山駅南北接続線 | 支線接続点 – 富山駅 | 0.2 |
富山ライトレール | 富山港線 | 富山駅北 – 岩瀬浜 | 7.6 |
北陸鉄道 | 石川線 | 野町 – 鶴来 | 13.8 |
北陸鉄道 | 浅野川線 | 北鉄金沢 – 内灘 | 6.8 |
のと鉄道 | 七尾線 | 七尾 – 穴水 | 33.1 |
合計 | 68.8 |
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